AI人材
「使い方がわからない」38.8%は研修の問題です
日本で生成AIを使ったことがある人は58.8%、前年の26.7%から倍以上に増えました。使っていない人の理由で目立つのが「使い方がわからない」の38.8%です。調査4か国で最も高く、これは意識の問題ではなく研修の問題です。
令和8年版の情報通信白書には、よく引用される数字と、本来引用されるべき数字があります。
よく引用されるのは58.8%です。仕事か日常生活で生成AIサービスを一つでも使ったことがある人の割合で、前年度は26.7%、その前は9.1%でした。1年で倍以上になっています。
本来引用されるべきなのは38.8%です。
残りの41%は誰か
白書は、生成AIを使ったことがない人に、テキスト生成AIを使わない理由を聞いています。答えは二つに集中しました。「自分の生活や業務に必要ない」が42.4%、「使い方がわからない」が38.8%です。
同じ質問を米国、ドイツ、中国にもしています。「必要ない」の割合は日本も他国と大きく変わりません。「使い方がわからない」は、日本が4か国で最も高い結果でした。
この二つを並べると見え方が変わります。日本に残っている差の大きな部分は、AIを試して拒んだ人たちではありません。誰にも見せてもらっていないと答えている人たちです。
会社にとって何を意味するか
日本の利用経験率はまだ他の3か国を下回っています。米国とドイツは75.6%、中国は93.6%です。テキスト生成に限っても日本55.0%、米国65.4%、ドイツ66.0%、中国88.3%です。
これは個人向けの調査で、会社の調査ではありません。ただ、回答した個人はどこかで働いています。全国の傾向が社内でも同じなら、AIに触れていない社員のかなりの部分は、拒んでいるのではなく、見せてもらうのを待っています。
ライセンスを配っても届きません。東京の導入現場でよく見る流れはこうです。ライセンスが配られ、もともと興味のあった人が使い始め、使い方がわからなかった人はそのまま動きません。数か月後、導入は全社の数字で評価され、失敗に見えます。
実際に届くもの
「使い方がわからない」と言う人は、何が効くかを教えてくれています。誰かが隣に座り、その人の仕事で、その人の書類で、最初の3つの作業を一緒にやることです。
プロンプトの講義ではありません。部署ごとに半日、その部署が手作業で苦労している業務を題材にして、終わったら何をしていいかを書いた社内ルールを渡す。ルールは研修と同じくらい大事です。「使い方がわからない」の中に「使っていいのかわからない」が混ざっているというのが、私たちが毎回の案件で確かめている仮説です。
まとまった時間の研修プログラムであれば、リスキリング向けの人材開発支援助成金の対象になり得ます。このサイトの別の記事で書きました。半日の研修単体では最低時間数を満たさないので、実際に行うプログラムに照らして対象かどうかを確認する必要があります。
正直な見立て
利用経験率はこの先も自然に上がっていくでしょう。「使い方がわからない」と答える人たちは、自然には動きにくい。声をかけられるのは雇い主だけだからです。自社のある部署にそういう人が何人いるかを知りたければ、私たちが最初に数えるのはそこで、半日あれば足ります。