業務自動化
89万8千人減っても、仕事は減らない
2024年10月までの1年で日本の総人口は55万人減り、日本人人口は89万8千人減りました。生産年齢人口の割合は59.6%、65歳以上は29.3%で過去最高です。日本の業務自動化はもう生産性の施策ではなく、仕事を回す手段そのものです。
総務省統計局が公表した2024年10月1日現在の人口推計は、短くて、読んでいて気持ちのいいものではありません。
総人口は1億2380万2千人、1年で55万人、0.44%の減少。日本人人口は1億2029万6千人、89万8千人、0.74%の減少。有給の仕事の大半を担う15歳から64歳は7372万8千人で22万4千人減り、全体の59.6%。65歳以上は29.3%で、過去最高です。
外国人人口は34万2千人増え、3年連続の社会増加です。これが総人口の減りを和らげていて、見出しが89万8千人ではなく55万人になっている理由です。方向は変わっていません。
会社の中でどう現れるか
国の統計を体感する人はいません。人が体感するのは、8人だった部署が6人になったこと、求人が5か月埋まらないこと、金曜日の退職で20年分の業務知識がドアの外へ出ていくことです。
私たちが会う日本企業の多くは、いまだに自動化を効率化施策として、投資回収の計算で正当化するものとして語ります。次の採用がいつでもできた時代にはそれで筋が通っていました。推計は、もうそうではないと言っています。人が減っても、受注も請求書もお客様も一緒には減りません。
一番よく見る間違い
追い詰められると、全部を一度に自動化したくなります。大きな基盤を入れて、仕事ごと無くす目標を立てる。私たちの経験では、こうしたプロジェクトは完了するより途中で止まることのほうが多く、止まっている間も6人の部署は8人分の仕事をしています。
うまくいくやり方は小さくて、スライド映えしません。ある部署が嫌っている業務を一つ選ぶ。マニュアルに書いてある手順ではなく、実際にどうやっているかを見る。機械のほうが明らかに得意なステップだけを自動化し、判断は人に残す。節約できた時間を測って部署に伝え、次の一つを選ぶ。
小さく始めて後悔した会社には会ったことがありません。大きく始めて後悔した会社には何社か会っています。
AIが変えた部分
5年前、事務仕事の多くは散らかりすぎていて自動化できませんでした。メール、PDF、電話、半分だけ埋まったスプレッドシートの中にあったからです。生成AIが得意になったのはまさにその種類の仕事です。読む、要約する、抜き出す、下書きする、振り分ける。日本のオフィスの散らかった真ん中こそが効く場所で、それは銀行だけでなく30人の会社にも手が届きます。
費用の一部には補助金があります。IT導入補助金は今年、名称にAIが入りました。作ったものを回せるように社員を教える費用には、人材開発支援助成金が大きな割合を負担します。
時計は動いている
統計局は毎年、10月1日現在の推計を公表します。次の推計で働く年齢の日本人が前年より増えると考える材料は、数字のどこにもありません。会社はそれを前提に計画するか、それに驚くかのどちらかです。始めるなら、一番手が足りない部署が一番嫌がっている業務を一つ持ってきてください。その話に1時間、私たちが作ってきた自動化はすべてそこから始まっています。