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ChatGPT広告が日本で始まりました。どの広告が出るかは会話の文脈で決まります
OpenAIは2026年8月、日本でChatGPT広告を開始しました。対象は無料プランとGoプランの利用者です。広告は回答の下に表示され、会話の文脈をもとに選ばれ、回答の内容には影響しません。日本の事業者もセルフサービスで出稿できるようになっています。
2026年8月11日、OpenAIは広告に関する告知ページに一行を追加しました。ChatGPT広告を英国、メキシコ、ブラジル、日本、韓国で開始した、という内容です。
ここまでの流れは短いものでした。OpenAIが米国で広告のテストを始めたのが2026年2月9日。5月7日には、この5か国でのパイロット実施を予告しています。6月18日には電通デジタルが国内ローンチパートナーとしてパイロット運用の開始を発表し、同じ月にHakuhodo DY ONEも国内での取り扱い開始を発表しました。現在、OpenAIのヘルプセンターでは、日本はセルフサービスの広告管理画面(Ads Manager)を利用できる国として掲載されています。
日本で検索広告を運用している企業にとっては、人が質問をする場所に広告枠ができたのは久しぶりのことです。
誰に、どこに表示されるか
広告が表示されるのは、無料プランとGoプランの利用者です。Plus、Pro、Business、Enterprise、Eduのアカウントには表示されません。18歳未満と判断されたアカウント、一時チャットにも表示されません。
広告は回答の末尾の下に、スポンサーであることを示すラベル付きで、回答とは視覚的に区別して表示されます。ヘルプセンターによれば、広告はチャットのモデルとは別のシステムで動いており、広告主が回答の内容や順番を左右することはできません。
表示されない話題もあります。個人の健康、メンタルヘルス、政治に関する会話の近くには広告は出ません。政治広告は現時点で認められていません。
広告はどう選ばれるか
検索広告と最も違うのはここです。
検索広告は、入力されたキーワードに合わせて表示されます。ヘルプセンターが挙げるChatGPT広告の判断材料は、現在の会話の文脈と意図、広告のランディングページ、タイトル、文面、広告主が設定するコンテキストヒントとターゲティング、そして利用者がパーソナライズを有効にしている場合は、ChatGPTのほかの利用状況から得られる一部のシグナルです。対象となる広告が複数あるときは、関連性や入札額を含む複数の要素を踏まえて表示順が決まります。
広告主にとって、ここから二つのことが言えます。
一つは、ランディングページがターゲティングの一部になっていることです。何を誰に売っているのかがページに明確に書かれていなければ、照合する材料が少なくなります。曖昧なページは、これまでもコンバージョンの問題でした。ChatGPT広告では、表示されるかどうかの問題にもなります。
もう一つは、会話がキーワードより長いことです。検索窓に三語だけ入れた人と、ChatGPTに十往復かけて自分の状況を説明した人とでは、検討の段階が違います。前者に向けて書いた広告文は、後者には噛み合わないかもしれません。
広告主に返ってくるもの
現時点で広告主が受け取れるのは、表示回数やクリック数などの集計データです。会話の内容、チャット履歴、メモリ、個人情報は共有されません。
つまり、クリックの後の計測は自社で用意する必要があります。ChatGPTから来た訪問者がその後何をしたかを自社サイトで把握できなければ、検索広告と比べることもできません。
変わらないもの
検索がすぐに主役の座を降りるわけではありません。電通など4社の詳細分析によれば、2025年の日本で運用型の検索連動型広告はインターネット広告媒体費の38.7%を占め、広告種別と取引手法の組み合わせで見て最大でした。
そして、広告は回答そのものではありません。広告で回答の中身を変えられない以上、回答の中で自社が紹介されたいなら、これまでどおりAIに見つけられ、引用される情報源である必要があります。分かりやすいページ、出典のある数字、機械が読める構造です。
広告枠は買えるようになりました。その上に表示される回答は買えません。利用者が最初に読むのは、今も回答のほうです。
出典
- OpenAI「Testing ads in ChatGPT」(2026年2月9日公開。2026年5月7日の更新で英国、メキシコ、ブラジル、日本、韓国でのパイロットを予告、8月11日の更新で同5か国での開始を発表)
- OpenAIヘルプセンター「Ads in ChatGPT」(対象プラン、回答の下への表示、広告主のコンテキストヒントを含む選定の要素、関連性と入札による順位付け、集計データのみの提供、除外される話題)
- OpenAIヘルプセンター「Ads Manager Availability」(日本はセルフサービス利用可能。2026年9月23日確認)
- 電通デジタル 国内ローンチパートナーとしてChatGPTの広告のパイロット運用を開始(2026年6月18日)
- Hakuhodo DY ONE OpenAIのChatGPTにおける広告パイロットの国内取り扱いを開始(2026年6月)
- CARTA HOLDINGS、電通、電通デジタル、セプテーニ「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日公表。運用型検索連動型広告が媒体費の38.7%)