マーケティング
検索されるより、AIに引用されるほうが重要になってきた
個人の生成AI利用は日本で58.8%まで伸びました。情報を探す起点が検索エンジンからAIに移りつつあります。企業サイトが読まれる相手が変わっています。
令和8年版情報通信白書によれば、個人の生成AI利用率は日本で58.8%です。前回調査は26.7%でした。1年で倍以上になっています。
米国とドイツは75.6%、中国は93.6%。年代別では15歳から19歳が91.7%です。
この数字が企業サイトに与える影響は、誰が、あるいは何がページを読むのかという点にあります。
読み手が人からエージェントに変わる
AIが回答を作るとき、参照元のページを読みます。読むのは人ではなくプログラムです。
人が読む場合、レイアウト、画像、動きが理解を助けます。プログラムが読む場合、これらはすべて無視されます。残るのは、テキストとその構造だけです。
多くの企業サイトは、人が見て理解できることを前提に作られています。画像の中に書かれた文言、スクロールに応じて表示される情報、JavaScriptで生成される本文。これらは人には届きますが、参照元としては存在しないのと同じです。
確認できること
自社サイトがAIに読まれる状態かどうかは、いくつかの点で確認できます。
JavaScriptなしで本文が出るか。 ページのソースを表示して、本文のテキストがそこにあるか。なければ、サーバー側で描画する構成に変える必要があります。
見出しの構造が正しいか。 h1がページに1つあり、内容の階層が見出しの階層と一致しているか。装飾のために見出しレベルを選んでいる場合、構造は読めません。
数字に出典があるか。 AIが引用先を選ぶとき、検証可能な記述のほうが扱われやすくなります。出典のない数字は、引用しても裏が取れないため、避けられる可能性があります。
構造化データがあるか。 JSON-LDで、組織、サービス、記事の情報を記述しておく。人には見えませんが、機械には見えます。
llms.txtとrobots.txtの設定。 AIクローラーを明示的に許可しているか。既定で遮断している設定になっている場合があります。
引用される書き方
AIが引用しやすい記述には、共通の特徴があります。
主張と根拠が近い位置にあること。段落の中で結論が先に来ていること。数字に、いつ、誰が、何を調べたものかが添えられていること。
逆に引用されにくいのは、複数の段落にまたがって結論が保留される文章、根拠が別ページにある記述、修飾の多い表現です。
日本語のビジネス文書には、結論を後ろに置く形式が多くあります。人が読む分には問題ありませんが、部分を切り出して引用される場合には不利に働きます。
検索エンジン向けの最適化は、順位を上げる作業でした。AI向けの最適化は、正確に引用してもらう作業です。目的が違います。
順番
全部を一度にやる必要はありません。効果と手間の比で並べると、この順です。
- 本文がサーバー側で出ているかを確認する
- 数字に出典を付ける
- 見出しの構造を直す
- JSON-LDを追加する
- robots.txtでAIクローラーを許可する
1番と5番は、確認だけなら1時間で終わります。そして、この2つが最も大きく効きます。
利用率58.8%は、まだ増える途中の数字です。米国とドイツは75.6%、中国は93.6%です。