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No.1表示の調査内容を把握していた広告主は、15社中1社でした

消費者庁が2024年に「No.1表示」を行う広告主から聞き取りをしたところ、多くは調査会社からの勧誘がきっかけで、効果を検証している社はわずかでした。調査の中身を説明できたのは15社中1社だけです。

公開 読了 約3分

「同業他社はどこもNo.1をうたっているので、No.1をうたっていないと、そのことが不利な材料となってしまう。」

ある広告主が、No.1表示を行った理由を消費者庁にこう説明しています。他社がやっているから、というのが最も多い理由でした。2024年9月26日に公表された消費者庁の「No.1表示に関する実態調査報告書」に収められた回答です。同庁は実際の広告からNo.1表示を集め、消費者への意識調査と、表示を行う広告主への聞き取りを行いました。

聞き取りを受けた広告主の多くは、No.1表示の効果を具体的に把握も検証もしていませんでした。

消費者はどう受け取るか

意識調査は2024年8月1日から9日にかけて、消費者1,000人を対象に行われました。No.1表示を見たことがある人のうち、約5割が購入の判断に「かなり影響する」または「やや影響する」と答えています。

受け取り方も大きなものです。「顧客満足度No.1」のサンプル広告を見た人の55.5%が、同種の他社商品より優れていると思うと答え、56.8%が実際の利用者を対象に調査していると思うと答えました。

問題は、この思い込みから始まります。

表示はどう作られているか

消費者庁が集めたNo.1表示と「医師の○%が推奨」のような高評価%表示のサンプルは368件。No.1表示では、満足度をうたうものが71件で最も多くありました。

聞き取りでは、自ら調査会社を探した事業者より、調査会社やコンサルティング会社から勧誘を受けたことがきっかけだった事業者のほうが多くいました。委託先を選んだ理由には費用の安さが多く挙がり、1フレーズ10万円から数十万円という例が多く見られました。「1位が獲れるまで追加費用なしで再調査する」と勧誘する調査会社や、「顧問弁護士がリーガルチェックをしているので安心してほしい」と説明する調査会社もありました。

そうした調査会社の中には、「イメージ調査」を納品しているところがありました。回答者に依頼主と競合各社のウェブサイトを見せ、どれが良さそうかを選ばせる調査です。回答者がその商品を使ったことがあるかどうかは問いません。その結果が「満足度No.1」の根拠として使われていました。

ヒアリング対象の広告主15社のうち、どんな質問をしたのか、どの競合と比べたのか、回答者に何を見せたのかを把握していたのは1社だけでした。調査報告書をきちんと保管しておらず、聞き取りの依頼を受けてから調査会社に取り寄せ直した事業者も複数ありました。

消費者庁が求めていること

報告書は、主観的な評価を指標とするNo.1表示の根拠となる調査に、少なくとも次の4点を求めています。

  1. 比較する商品が適切に選ばれていること。市場の主要な商品を含める必要があり、検索結果の上位を並べただけでは足りない
  2. 調査対象者が適切に選ばれていること。無作為に抽出し、継続購入している顧客だけや、自社の社員、関係者を対象にしない。満足度をうたうなら、実際の利用者に聞く
  3. 調査が公平な方法で行われていること
  4. 表示の内容と調査結果が対応していること

「サイトイメージ調査」といった注記を添えても、「顧客満足度No.1」という表示と調査結果が対応していないことに変わりはない、と報告書は述べています。広告は、調査で測っていないことを読む人に伝えてしまっているからです。

実際に処分されている

報告書は、2023年6月から2024年3月までに景品表示法違反とされた最近の事例として13件を挙げており、いずれも第三者の主観的評価を指標とするNo.1表示が問題とされたものです。その後も続いています。令和7年度の運用状況では、冷凍宅配食のサービスが「プロの料理人がオススメする宅食ランキングNo.1」など3つの表示について、客観的な調査に基づいていない疑いがあるとして、2025年9月19日に確約計画の認定を受けています。

その場所に何を書くか

本当の数字があるなら、出典と一緒に使ってください。一定期間の販売数、リピート購入する顧客の割合、購入者による実際のレビュー件数。

ないなら、表示をやめる。報告書の聞き取りを見る限り、No.1表示が何をもたらしていたのかを説明できる広告主は、もともとほとんどいませんでした。

出典

  1. 消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」(2024年9月26日公表。サンプル368件、消費者1,000人への意識調査は2024年8月1日から9日、広告主へのヒアリング、合理的な根拠の4要件、最近の違反事例13件)
  2. 消費者庁 No.1表示に関する実態調査報告書の公表について(2024年9月26日)
  3. 消費者庁 令和7年度における景品表示法等の運用状況及び表示等の適正化への取組(2026年5月28日公表。冷凍宅配食の3つのNo.1表示に関する確約計画の認定、2025年9月19日)

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